”立秋”明けは忙しさと心の余裕のバランスを

今年2024年は8月21日で”立秋”が終わり、22日より”処暑”に入りました。

このお盆の期間は、南海トラフ地震台風7号の影響で

海事に関する仕事をはじめ、大変な思いをされた方も多いと思います。

心穏やかでないまま夏季休暇を終えて、

またいつも通りのお仕事のペースに戻られたのではないでしょうか。

さて、忙しくするというのは、良いことのように思われがちですが、

実はチャンスを逃す要因になったりもします。

忙しいと余裕がなくなる、つまり心を見失ってしまうからです。

 

自分の能力以上にタスクを抱えてしまうと集中力が途切れて散漫になり、

本来の自分の能力を完全に発揮できなくなってしまうものです。

その結果、ミスが重なり周囲からの信用を失ってしまう恐れもゼロではありません。

 

「忙」という漢字は、「心」が「亡くなる」と書きます。

 

忙殺されることによる一番の問題は、

今取り組んでいることに対して自分自身がどのような感覚で行っているのかがわからなくなり、

「気づき」が無くなるところにあります。

気づきが無くなると判断力が鈍ってしまい、いざという時に決断できなくなることも少なくありません。

 

ここで、単位時間当たりの作業が多いこととタスクオーバー(忙しいこと)とは異なります。

たとえば、プロスポーツとしての「競艇」における一流選手は、

船のモーターとプロペラなどのフィッティング調整幅を、

測定器など道具を使わず1/10ミリ単位でピッタリ合わせることができるとされています。

細かい微調整を、数値的にも正しく身体が把握しているのです。

これは何度も積み重ねてきた、知識と経験からくる余裕があることによるものでしょう。

きっと私たち一般の人は測定器を使ったとしても、

自分に合った最適なポジションを知ることは難しいでしょう。

でも、自分が慣れ親しんでいる仕事なら、感覚的に肌でわかることも少なくないはずです。

ただ、忙しい状況にあると、その肌感覚が鈍ってしまいます。

 

つまり、「忙しい」状況というのは自分の能力や経験の限界値以上のものを、

「抱え込み過ぎている状態」だと言えるのかもしれません。

たとえ忙しくても、しっかりと自分の集中力や心の安定はどこかで担保しなくてはいけません。

そして、それができていないと感じるときは危険信号

 

忙しくて自分のパフォーマンスが下がっていることに気づいたときは、

「このままではダメだ」と冷静にならなくてはいけません。

 

忙しいときこそ、自分自身を見つめ直すことが大切です。

自分の処理能力を超えて抱え込んでいるものがあるときは、思い切って手放す決断も大事かもしれません。

 

ただし意図的に抱え込むことが、新たに自分の器を広げるきっかけになる場合もあります。

そんなときは、忙しさに振り回されずに、冷静に優先順位をつけて自分の能力を高めていきましょう。

休み明けの仕事は自分のペースを取り戻すのに、どうしても時間がかかるもの。

何ごとも心に余裕をもって取り組み、事故やミスを最小限に抑えたいものですね。

 

この秋もどうぞよろしくお願いいたします。

 

(和田直也)

 

#南海トラフ地震 #楠原海事法務事務所 #競艇

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